どのくらい雪のせいだったかをきちんと考えてみた
きのうは都知事選の投票日だった。
自分なりにきちんと考えて、自分なりの基準で投票した。
投票した手前やはり気になるので、20時少し前にテレビをつけた。
20時。当確の一報。舛添氏大勝の結果を受け、ネット上ではぞろぞろと一部の方々が声を挙げはじめる。
私も人のことは言えない、二言三言、Twitterへのつぶやき投稿で、今回の結果を受けての「うさ晴らし」をしていた一般大衆のうちの一人だ。
TwitterやらFacebookで
「ぜんぶ雪のせいだ」
というジョークがわっと自然発生した。
たいへん不評だった例のJR ski skiの広告が、まさかこんな形で日の目を見ることになろうとは。微笑ましい。
でも、一夜明けて今日、選挙結果を改めて見直してみて、
「これちっとも雪のせいじゃないな」と感じてしまった自分がいまして。
まだ正確な数字が出ていないので推定の域を出ませんが、やはり、投票率が低いことと舛添氏の当選の相関性は、そんなに高くないのですよ。
(正確な資料が出たらこの記事にリンク程度でも追加していこうと思いますが、)出口調査による「世代別投票率」と「世代別 誰に票を入れたか」を集計して「世代別平均支持率」を算出し、有権者人口の比率に合わせて計算したとしても、舛添氏の当選はおそらく変わらない。
20代の票では、トップの座を田母神氏か宇都宮氏に譲る可能性はあるかもしれないが、世代別人口比率的を考えると、まず揺るがなかったことでしょう、と。
という、なかば印象論だけで話をしても仕方ないので、現時点でわかる範囲の数字でも、以下に確認してみます。
今回の都知事選の有権者数は1068万5343人。
最終投票率は46.14%とのこと。
白紙などの無効票も投票率に反映されているので、
「投票しなかった有権者」は、約575万5千人いる。
成る程、一見、「雪のせい」に見える。
問題は、「投票しなかった有権者」が、「もし投票していたなら誰に入れたか」なわけで。
上位候補の得票数、つまり「投票した人」の候補者支持率の対比は以下の通り。
舛添要一 2,112,979票 43.40%
宇都宮健児 982,594票 20.18%
細川護熙 956,063票 19.64%
田母神俊雄 610,865票 12.55%
例えば、宇都宮氏が舛添氏を上回るための条件=約113万票の差をひっくり返すことができる条件の例は以下の通り。
※比率はあくまで一例です
▼投票率がもう10%高く、56.14%だったとき
「その10%の層(約106万票)」の内訳が
宇都宮氏の支持率100%でも不可能。
不可能なのです。
▼投票率がもう15%高く、61.14%だったとき
「その15%の層(約159万票)」の内訳が
宇都宮氏の支持率が80%のとき、舛添氏の支持率が1.5%以下
現実的でしょうか。
▼投票率が20%高く、66.14%だったとき
「その20%の層(212万票)」の内訳が
宇都宮氏の支持率75%、且つ舛添氏の支持率が15%以下
ちなみに上記パターンでも、舛添氏以外の票のうち88%が宇都宮氏に集中しなければ無理なわけで。
つまり投票率が高ければ舛添氏にならなかったのか、と言われれば、そうとも言えないほど舛添氏は強かったし、それを都民が選んだわけだ。
ぜんぶ雪のせいか?と言われれば
「晴れても舛添氏が当選した」
可能性はかなり高かったんですね。
気のせいかな、まあだいたいこんな感じよな、とも思いましたが、なぜか突然、山手線の中できちんと確認しておきたくなったので、電卓アプリでパチパチやってみた次第です。
…
誰が選ばれようが、Twitterやら何やらには批判は飛びます。
批判的視点は常に必要ですし、大衆の業も、有識者の欺瞞も、中二病どもの屁理屈も似たようなものです。
自治体の長を選挙で選んだのですから、あとはリーダーとフォロワーがどのような関係を築き、どう進んで行くのかを考えるべきです。
舛添氏は大臣経験もあり、他の候補者の中でも行政の各方面に(良し悪しは別として)パイプや恩、縁が多い方でしょう。都職員(≒フォロワー)との実務的連携においてはたいへん期待できます。そこには強く期待します。そこには。