6mm方眼ノート

方眼紙に書くと、なんとなく、普通の紙に書くよりも整理できるような気がするよね。

満員電車と労働生産性


私は満員電車が嫌いです。
肉体的な疲れもありますが、人が箱詰めにされて運ばれている「状況」のストレスのほうが強いです。

朝は恵比寿のオフィスまで山手線か埼京線で通勤します。
9時半始業の職場なので、通勤ラッシュのピークは避けているはずなのですが、それでも電車はけっこうな混みようです。
今朝は何かしらの事故があったらしく20分ばかりダイヤが遅れたようで、もう8時40分というのに山手線のホームには人が入りきらず階段に溢れていました。1〜2分待ってホームに上がり、整列して電車を待ったのですが、次の列車には乗れず。もう一本あとの電車で恵比寿まで…。ふぅ、という感じです。
しかし考え方によっては、私の境遇はまだマシなほうかもしれない。近郊のベッドタウンから埼京線や中央線、京浜東北線でピーク時に通勤している人は、混み具合も、その環境にさらされる時間も、比べ物にならないのでしょう。…はっきり言いますが私は絶対にそういうエリアには住みたくありません。


満員電車は、日本が抱える社会問題、社会的病理であると思います。
私が楽をしたいから(だけで)言っているのではありません、私は満員電車の存在が「一人ひとりの生産性を下げている」と考えているからです。

皆さんも考えてみてください。
彼らは通勤時、毎朝の押し合いへし合いによって、それ相応のエネルギー消費とストレス蓄積をしています。その程度は個人により異なるでしょうが、皆ある程度の蓄積はするでしょう。

つまり、毎朝はたらく前に、ストレスに晒され、それなりにエネルギー消費してから、やっとこさ生産活動に取りかかっているわけです。

都心の会社で働くサラリーマンが一日の勤務で消費する物理的、精神的エネルギーの値がどれ程かは一概には言えませんが、仮に、通勤時の消費エネルギーが「職場で働いて消費するエネルギーの一割」だったとしましょう。
その場合、通勤方法を精神的・肉体的にエネルギーを消費しないものに置き換えるだけで、理論上は【職場で発揮しうるエネルギーの上限値が10%上がる】のです。
さらに言えば、ぎゅうぎゅうの箱詰めになる事によって精神的ストレスを受けてから仕事に取りかかるのと、そうでない脳で仕事にとりかかるのでも、生産性に差が出るかもしれない。推測でしかありませんが、他人と押し合いへし合いしながら右に左に揺られることがストレスにならない人はそういないでしょう。

要するに、満員電車通勤は労働生産においては損失の源泉ではないか、と思えてならないのです。

東京への産業の集中は、経済活動の効率を目的としていると考えられます。確かに取引先や関連企業は近いほうが、また人口や企業数が多い地域のほうが、企業活動の効率はよいのかもしれません。
しかし、現状の東京都心部を見るかぎりでは、経済活動の効率化を目指した引き換えに、一人ひとりの生産性を落とす病巣を生み出してしまったのではないか、と考えてしまいます。そして少し虚しくなります。
 
 
情報技術がここまで進んだ時代です。
東京への産業の分散に成功すれば、潜在的な生産性のアップが測れるのではないでしょうか。
それこそイノベーティブな/クリエイティブな人材が、あの箱詰め車両の中から輝き出すというのが全くイメージ湧きません。明日の日本経済を支える人材は、もっとゆとりある空間にいるのではないでしょうか?
この国の未来のためです、政府主導ででも本気で取り組んでみてはいかがなものか、と強く思います。

満員電車と労働生産性の社会調査研究とか、どこかにないかなぁ。無いなら私がやってもいい(笑)

あと日本特有の犯罪「痴漢」の原因についても、本件のむこうに少し思うところがありますね。