読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

6mm方眼ノート

方眼紙に書くと、なんとなく、普通の紙に書くよりも整理できるような気がするよね。

「好きな仕事に就くのでなく 就いた仕事を好きになる」は可能かを考える

 
先ほどtwitterで池田先生 (@ikedaosamu) のつぶやきを読んで、急に自身のサラリーマン時代を思い出したのです。
 
「好きなことを仕事にできなかったとしても仕事を好きになることはできる」
 
なんとも格好良いですが、慰みにも聞こえる台詞です。
ここのところの就職難をうけ、学生向けの就職活動指導の現場において、現実を見ろ、身の丈にあった職場を選べ、それが自身が望む職場でないとしても、その職業を・その職場を好きになることはできる。それこそが職業的な幸せだ。
…あぁ、そんな月並みな台詞をキャリアセンターのスタッフ(たぶんこういう話をするときは青系のネクタイだろう)が壇上で大学生に向かって投げかけられているであろう状態は容易に想像できますが、
 
これは単なる慰みなのでしょうか。
それとも会社員となってゆく学生達への希望の光なのでしょうか。
はたして可能なのでしょうか、「好きでもなかった仕事を好きになる」ことが。
 
私の経験から申し上げますと、
絶対とは言いませんが、【可能】です。
けっこうな確率で好きになれます。可能性はかなり溢れていると思います。
 
―――――――――――――――――――――――――――――
   
以下はあくまで私の経験です、念のため。
 
営利目的の株式会社における、正社員としての仕事。
ある程度これに対するイメージは持っていました。しかし、いざサラリーマン生活が始まってみると、予想外のこと、想定していなかったことが沢山ありました。いやもう、知らなかった「次元」がいくつもサラリーマン生活には存在していた、とでも言いましょうか。
 
経営陣から伝わる緊張感であったり
異業種から転職してきた先輩と仲良くさせていただく毎日が楽しかったり
西新宿はランチが充実しすぎてて太ってしまったり
チームワークという事柄そのものの面白さであったり
取引先に可愛いねーちゃんがいて毎月の訪問がワクワクだったり
商品に大した思い入れも無かったのに業者さんと仲良くなったら興味が出てきたり
スーツでいかにおしゃれをするか、を考えたり
部活を仕切ることになって難しいうまくいかなぃぃぁあぁぁ、となったり
アルバイトを育てることになり、こいつらを守り育てなきゃ、と思wたり
自分のはたらきと賃金というものを真剣に考えたり
会議をして議事録をとる、という事そのものが奥深くて研究対象だったり
 
そんな細かい事のすべてが、「職業生活の一部」だったのです。まさかこんな小さなことが、仕事をするうえで大切なものになっていくなんて、と自分でも驚きました
言葉で表現するのは難しい。生活のなかでの実感というやつです。
 
今にして思えば、就職活動をしていた頃には、「仕事」というものをごく表層的なイメージで捉えていました。どんな業務をする、どんな商品を扱う、こんな会社のこんな仕事です、という。
しかしこれは仕方がありません、むしろ当たり前のことです。職場は生活時間の半分以上を過ごす「生活空間」です。
そこにどのような事柄があるか、実体験せずして推察するのは難しすぎます。まして若者には。
私にとっての「仕事」は、業務そのものだけでなく、「職業人としての時間、職業生活」へと変化していきました。
  
こうして複雑に絡み合った、たくさんの[仕事のこと]によって、私の【職業生活の充実度】が決まっていきました。そう、この充実度の高さこそ、「あなたは今の仕事が好きですか?」と問われたときの答えを決定づけるものです。 
 
私は、今にして思えば、最初に入った会社、けっこう好きでしたよ。
関係がうまくいかなくなって退職する結果にはなりましたが、
嫌なことも多かったけど、ワクワクすることがいっぱいあって、上にも下にも大好きな人がいて、そうですね…場所として大事にしたかった。
  
―――――――――――――――――――――――――――――

【仕事を好きになる】とき、仕事の[どの部分を][どう好きになるか]にルールはありません。必ずしも自社の商品や自分の業務内容を愛している必要はない。
「空気がいいし景色も良い。通勤時間で四季折々を楽しめるんですよ」
「私は先輩のことが大好きなんです、すごく尊敬しています。先輩とチームで仕事するのが楽しい」
「会議で自分の作った資料がツッコまれる事が多いんですけど、たまに突っ込まれないと、勝った!っていう気分になれるんですよね」
などといった小さな「仕事のこと」が少しずつ組み合わさって、自分なりの【職業生活の充実】につながっていく。

「仕事のこと」。それは実際に組織に属して働いてみなければ分からないものですし、人によって、職場によってすべて違います。ひとりの人間がそこに飛び込み、そこにいる人々と同じ空気を吸い、言葉を交わし、なにかを成して。そうしなければ得られない。そこから生まれる無限の事柄です。それが自分だけのパズルピースとなって、【職業生活の充実】を描いていく。
 
だから私は思うのです、
【働いてから、仕事を好きになることは、できる。】
と。 
 (勿論、絶対に、とは言いませんよ。負の事柄も生じうるので)
 
学校だってそうでしょう? 第二志望の大学に入っても、先生と出会い、同級生と話し、キャンパスで四季を感じて、美味しいランチの店を近くに見つけて…そうして何年も過ごしていたら、自然と「この大学が好き」になれるものです。
 (勿論、絶対に、とは言いませんよ。負の事柄も生じうるので)
 
 
異性も仕事も、映画や音楽に対しても、好きのカタチに正解なんて無いんですよ。
まして未来の自分が何が好きかなんて絶対に予測できない。
いろんな事が絡み合って、いま、好きと感じられるかどうか。
それだけのはずです。