美味いもの、売れるものを造れるなら真似てもいいじゃないか
私はラーメンが大好きで、よく新店開拓しては、レビューサイト「ラーメンデータベース」に感想なり写真なりを投稿しています。
先日も新宿御苑あたりで初めてのお店に入り、いつものようにレビューしようとiPhoneポチポチしていたのですが、その際に大変不愉快な、といいますか、考えさせられる事柄に遭遇したので、今日はその話です。
私の一つ前のレビュー、つまり原稿で最新のレビューにはこう書かれていた。
「とにかくこの店は近隣の有名店の良いところをパクれるだけパクった恥知らずな店です。
キャベツは◯◯、茎わかめは◯◯。メンマは極太、つまり◯◯のパクりです。」
思わず心の中で「…で?味の解説はしてくれないわけ?」とつぶやく私。
ものすごく不愉快な気分になりました。
ちなみにそこのラーメンは良くできていました、美味かった。
秘伝の調合を盗んだわけでもあるまいに、他店と同じ属性をを含むというだけで、何が悪いところがあるのか。
むしろ他店のラーメンの魅力をバランスよく取り合わせることに成功したとすれば、その技術は評価すべきである。何より「美味しいものを作りたい」「売れるものを作りたい」と思うことは良いことだ。
そもそも食べ物屋においては、何が売れるか、何が美味しいかについて「市場を参考にする」ことは当然であるわけだし。
その不快なレビューには自分の舌で感じたことについての感想はあまり記されず、有名店の名前ばかりが踊る。オリジナリティのなさを否定しながらも、文章からは市場迎合的、権威主義的な匂いが強く漂う。
もちろん、食をいかに楽しむかは、個人の自由なわけですが。
彼も一人のラーメンファンとして市場を支える大切なひとりの仲間である事に変わりは無いわけですが。
それでも私は、自分の舌と一杯のラーメンが純粋に向かい合う、偏見や流行に流されない、食というコミュニケーションがもっと端的に行われるほうがいいなあ、と、そう思ったわけです。
的外れな批判はいかんですよ、と強く感じた、という話です。